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広がり続けるwebメディア|マネージャー畠山孝雄

2019年にインターネット広告がテレビメディアの広告費を抜きました。広告媒体は既にwebメディアが主戦場になっています。インターネット広告の市場は右肩上がりに推移して、2023年度には2.8兆円を超え、増々盛り上がっていくと予想されます。

宅録ナレーターの需要

これはナレーター業界にも地殻変動を起こしています。大手事務所の既存ルール(競合管理やギャラ等)では、なかなか対応しづらかったwebの仕事。コロナ禍により急速に浸透したリモートワークを追い風とし、SNSの普及やクラウドワーキングを背景に個人でも仕事を受ける事が容易になりました。結果として”宅録”のナレーターへの新規需要と共に供給も急速に増えることとなりました。

低価格化する宅録市場

その一方、懸念されているのがweb市場の低価格化です。中には1本1000円を下回る衝撃の価格も見受けられます。そこまでではなくとも、3000円から10000円で引き受けているという声が多く聞こえてきます。宅録の方が機材や収録編集技術に手間がかかるにも関わらずです。

承認欲求の落とし穴

供給する側の自信のなさから来ています。なんとしても”一本の仕事が欲しい””認められたい”という承認欲求。特にリピートがあると、満足感もあるでしょう。これらの気持ちはよくわかります。
しかし、もたらす結果としてweb動画=宅録=安いというイメージを与えかねません。それがweb案件全体のナレーション市場の価値を引き下げてしまっているのではないでしょうか。
残念なことに実際には低価格の仕事から、いきなり良い仕事につながることはほとんどありません。使う側も低価格なのはなんらかの理由があると見下してしまうからです。そうなるとステージアップする際の足枷となり、自身も安さのループから逃れられなくなってしまいます。これが自信のなさから来る低価格がもたらすもう一つの側面です。

プレーヤーが考えるべきはブランディング

下げた価格を上げるのはプロのマネージャーでもかなり難しいことなのです。交渉次第では、その仕事の継続性を断ち切らなければならないからです。もしプロとして中長期の活動を続けていく事を考えるなら、練られた戦略で無い限りは、安易な安売りはお勧めしません。
常にステップアップを狙っていくこと。自己の「ブランディング」を考えていくこと。それがプロとしての本当の自信へと繋がっていきます。
webという新たな市場を育てていくのは私達に他なりません。環境を改善し、ナレーションそのものに大きな価値を生み出していけること。そんな未来を願って止みません

マネージャー紹介

畠山 孝雄

hatakeyama

アイドル声優として活動後、義村社長から「お前にはマネージャーが向いている」と抜擢される。これまで、多くのCMへのキャスティングを担当。
「元プレイヤーなので、クライアントの要望を的確にプレイヤーに伝えることが得意です。クライアント、マネージャー、プレイヤーのよく使う言語は少しずつ異なります。それぞれの立場を理解した上で、共通言語を探し出し、橋渡しをしています。」

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